LRTKレフィクシア株式会社

製造パートナー探しで製造現場の清浄度を見る5つの異物対策ポイント

製造パートナー探しで清浄度を確認する重要性

製造パートナーを探す際には、加工設備、生産能力、納期対応、品質保証体制、得意とする材料や加工方法など、多くの項目を比較することになります。そのなかで見落とされやすいのが、製造現場の清浄度と異物対策です。製品の品質要求によって重要度は異なりますが、異物の付着や混入が外観、寸法、組立性、機能、後工程に影響する製品では、製造パートナー選定の段階から確認しておく必要があります。

ここでいう清浄度は、単純に工場の床が光っているか、棚が整理されているかという意味ではありません。重要なのは、製品に影響する異物を特定し、その発生源、移動経路、製品への付着経路を考慮した管理が継続的に行われていることです。見学前だけ大掃除をしてきれいに見える工場と、通常業務のなかで必要な場所を一定の状態に保っている工場とでは、品質管理としての意味が異なります。

製造現場で想定される異物には、切粉、研削粉、粉じん、油分、繊維くず、紙片、包装材の破片、樹脂片、設備や治具から生じる摩耗物などがあります。製品や工程によっては、こうしたものが外観不良だけでなく、組立時のかみ込み、接触面の浮き、塗装や接着の不具合、機構部の動作への影響などにつながる場合があります。

一方で、すべての工場に極めて高い清浄度を求めればよいわけではありません。大型加工品を扱う工程と微細部品を扱う工程では、適切な管理水準が違います。異物の大きさや種類、製品への影響、除去可能性、後工程の検査方法などを踏まえて、必要な管理レベルを設定することが重要です。過剰な要求は製造現場の負担を増やす一方で、要求が曖昧すぎれば発注側が期待する品質と製造側の管理基準に差が生まれます。

そのため、「製造パートナー 探し」で候補企業を比較する実務担当者は、工場がきれいかどうかではなく、異物リスクをどのように考え、どこを重点的に管理し、異常があった場合にどう処置しているかを見る必要があります。特に重要なのは、入室、清掃、発生源、保管・搬送、異常時対応という一連の流れです。

異物対策は一つの設備や一回の清掃だけで成立するものではありません。外部から持ち込ませない、工程内で発生量を抑える、製品に付着させない、付着した場合に検出する、発生原因を追跡して再発を抑えるという複数の管理を組み合わせることで、品質リスクを低減していく考え方が基本になります。ここからは、製造パートナー候補の現場で確認したい5つのポイントを具体的に解説します。

ポイント1 入室ルールと持込物の管理を確認する

最初に確認したいのは、製造エリアへの入室方法と持込物の管理です。人の移動は、外部の異物を工程内へ持ち込む経路になり得ます。衣服に付着したほこりや繊維、靴底に付いた砂や汚れ、紙類から発生する細片、作業に不要な私物などが製品周辺へ入る可能性があるためです。

ただし、入室ルールが厳格であるほど優れた製造パートナーであるとは限りません。見るべきなのは、製品特性と工程リスクに合ったルールが設定され、その理由を説明できるかどうかです。一般的な加工現場であれば、作業服や帽子の着用、外部から持ち込むものの制限、作業区域と非作業区域の区分などが管理対象になります。より微細な異物が品質へ影響する工程であれば、衣服の状態確認や専用衣類への着替え、入室前の異物除去などが必要になる場合もあります。

現地で確認したいのは、掲示されているルールそのものより、実際の行動です。入口に入室手順が表示されていても、作業者や来訪者が異なる手順で出入りしているのであれば、運用として十分に定着していない可能性があります。反対に、手順が簡潔でも、担当者や来訪者を問わず同じ運用が行われていれば、日常管理として機能していると判断する材料になります。

持込物も重要です。筆記具、図面、工具、容器、包装材などが必要以上に工程内へ持ち込まれると、異物発生源が増えます。作業台の上に不要な紙や包装材が置かれ続けていないか、使用する工具に定位置があるか、破損した備品をそのまま使用していないかなどを見ると、異物管理が実作業に落とし込まれているかを確認できます。

特に、製品の真上や製品に近い場所で使用する物品は注意が必要です。筆記具の部品、ラベルの端材、包装材の切れ端などは小さく、紛失しても気付きにくい場合があります。製造パートナー候補がこうしたリスクを認識し、製品付近へ置く物品を必要な範囲に限定しているかを見るとよいでしょう。

作業服や保護具の状態も判断材料になります。著しくほつれた衣服や劣化した手袋などを継続使用すれば、それ自体が異物源になる可能性があります。交換基準を過度に細かく確認する必要はありませんが、汚れや破損が認められたときに交換できる運用になっているか、工程ごとに必要な装備が定められているかを確認します。

また、入室管理を確認するときは「何を禁止していますか」と聞くだけでなく、「なぜそのルールにしていますか」と質問することが有効です。製品の要求品質や工程特性と結び付けて説明できれば、ルールを形式的に守っているだけではなく、その目的まで理解している可能性があります。

製造パートナーを探す実務担当者としては、自社製品に必要な管理より厳しいかどうかを競わせるのではなく、必要な水準を合理的に設定できる企業かを見極めることが大切です。将来、製品仕様や使用材料が変わった場合にも、リスクを再評価して入室や持込物のルールを見直せる体制であれば、長期的な取引でも品質条件を調整しやすくなります。

ポイント2 清掃方法・頻度・責任範囲を確認する

製造現場の清浄度を評価するとき、清掃状況は最も目につきやすい項目です。しかし、「毎日清掃しています」という説明だけで判断するのは十分ではありません。どこを、いつ、誰が、どの方法で清掃し、必要に応じてどのように確認しているかまで見る必要があります。

製造現場では、床だけでなく、設備、治具、作業台、部品棚、搬送容器、製品置き場など、さまざまな場所に異物が残ります。加工設備の周辺には切粉や粉じんが発生しやすく、組立工程では包装材や部品から細かな異物が出ることがあります。そのため、床だけがきれいでも、製品が直接触れる治具や作業台に異物が残っていれば十分とはいえません。

清掃頻度については、一律の回数よりも、異物の発生状況に合わせて設定されているかを確認します。異物が多く発生する工程では、一定数量の加工後や品種切替時に清掃するほうが適切な場合があります。反対に、汚れの少ない保管区域であれば、日次や週次の清掃でも管理できることがあります。重要なのは、「毎日だから安心」という形式ではなく、異物の発生量と品質への影響を踏まえて頻度を決めていることです。

清掃方法にも注意が必要です。異物を除去しているつもりでも、方法によっては別の場所へ拡散させる場合があります。粉じんや微細な切粉を周囲へ飛ばす方法では、清掃した設備の周辺に異物が移動する可能性があります。そのため、異物の種類と工程環境に応じて、回収、拭き取り、吸引などを使い分けているかを見ることが有効です。

清掃用具そのものの管理も確認します。同じ清掃用具を性質の異なる複数工程で共用すると、別工程から異物を持ち込む原因になる場合があります。必要に応じて使用区域を分けているか、保管場所を決めているか、劣化した用具を交換しているかなどを確認すると、清掃が品質管理の一部として扱われているかが分かりやすくなります。

責任範囲が明確かどうかも重要です。設備周辺は設備担当者、共用通路は別の担当者というように区域を分担している場合、境界部分が清掃されないことがあります。「誰かがやる」ではなく、どの場所を誰が管理するのかが実務上明確になっているかを見る必要があります。

また、清掃後の確認方法も製造パートナー比較のポイントになります。すべての清掃作業を詳細に記録する必要はありませんが、品質への影響が大きい箇所について、清掃実施や状態確認の記録を残している場合は、管理状況を後から追いやすくなります。記録があるだけで評価するのではなく、実際の現場状態と一致しているかも見ることが大切です。

工場見学では、案内された通路や来客から見えやすい場所だけでなく、実際に製品を置く作業台、治具置き場、設備側面、搬送容器の内側などにも注目します。見学経路はきれいでも、製品に直接触れる場所に異物が蓄積していれば、清掃活動の重点が品質リスクと合っていない可能性があります。

一方で、加工現場に油汚れや切粉が少し見えるだけで、直ちに管理不良と判断するのも適切ではありません。加工方法によっては一定の汚れが発生すること自体を避けにくい工程があります。重要なのは、異物が製品品質へ影響しないよう発生範囲を管理し、必要なタイミングで除去する仕組みがあることです。

製造パートナー選定では「工場全体がきれいか」ではなく、「品質に影響する場所を理解し、必要な状態に維持できているか」という視点で確認すると、清浄度をより実務的に評価できます。

ポイント3 工程ごとの異物発生源を管理しているか確認する

異物対策では、発生した異物を清掃するだけでなく、そもそもの発生源を把握することが重要です。発生源への対策が不十分なまま清掃や最終検査だけを強化すると、現場負担が増える一方で、同じ異物が繰り返し発生する可能性があります。

加工工程では、切粉、研削粉、バリ、工具の摩耗粉、設備部品から発生する破片などが想定されます。組立工程では、部品の破片、シール材の端材、包装材の細片、手袋や布から出る繊維などが異物になる場合があります。さらに、設備上部や配線周辺など、加工点から離れた場所にたまった異物が振動などによって製品上へ落ちる可能性もあります。

製造パートナー候補を訪問した際には、工程ごとに「ここではどのような異物が発生しますか」と確認すると、管理の考え方を把握しやすくなります。具体的な異物と発生場所を説明できる企業であれば、単に工場を清掃しているだけでなく、工程特性と異物リスクを関連付けて考えている可能性があります。

治具は特に確認したい箇所です。治具は同じものを繰り返し使用するため、接触面に切粉や油、粉、接着物などが蓄積することがあります。位置決め面に異物が挟まれば、製品姿勢や加工位置に影響することがあります。また、治具自体の摩耗によって微細な異物が生じる場合もあります。

そのため、製品接触面をどのタイミングで清掃しているか、異常摩耗をどのように判断するか、治具を交換または修理する基準があるかを確認します。異物対策と治具管理を別々に考えず、品質変動の原因として結び付けているかがポイントです。

設備保全との連携も重要です。設備の劣化、カバーの破損、可動部の摩耗などによって、通常は出ない破片や粉が発生することがあります。異常な異物を発見した際に、その場を清掃するだけで終わらせず、設備状態の確認へつなげる仕組みがあれば、根本原因に近づきやすくなります。

包装材も発生源として見落とせません。材料や部品を保護するために必要な包装材でも、開梱時に紙粉や樹脂片などが発生する場合があります。外装を開封する場所と製品を扱う場所が近いと、包装材由来の異物が工程内へ移動しやすくなります。必要に応じて開梱区域を分けたり、外装を工程内へ持ち込まないようにしたりする考え方があるかを見るとよいでしょう。

隣接工程からの影響も確認します。研削や切削など異物が飛散しやすい作業の近くで、開放状態の製品を組み立てたり検査したりしていれば、工程間で異物が移動する可能性があります。設備間の距離、間仕切り、作業方向、製品カバーなどによって影響を抑えているかを確認します。

ここで重要なのは、異物を完全に発生させないことを求めるのではなく、発生することを前提に影響範囲を限定できているかを見ることです。製造工程には、構造上どうしても切粉や粉じんが生じる作業があります。発生をゼロにすることが現実的でない場合でも、異物がどこへ移動し、どこに残りやすいかを理解していれば、適切な対策を取りやすくなります。

発生源管理ができている製造パートナーは、「清掃回数を増やす」という対症的な対応だけでなく、設備、治具、材料、包装、作業方法などを含めて原因を考える傾向があります。この視点は、量産開始後に異物問題が発生した場合の改善力を見極めるうえでも重要です。

ポイント4 材料・仕掛品・完成品の保管と搬送方法を確認する

製造現場が清掃されていても、材料や仕掛品、完成品の保管方法が適切でなければ、製品へ異物が付着するリスクは残ります。製品が実際に加工されている時間よりも、工程間で待機している時間のほうが長いケースもあるため、保管状態は清浄度管理の重要な要素です。

まず確認したいのは、材料や部品、仕掛品をどこへ置いているかです。床への直置きは、異物付着や汚れだけでなく、搬送時の接触にもつながりやすいため、必要に応じて棚、台、容器などを利用しているかを確認します。また、容器を使用していれば安心というわけではなく、その容器自体が清潔に保たれているかも重要です。

繰り返し使用する搬送容器は、異物が蓄積しやすい場所の一つです。前工程で付着した切粉や粉じんが容器内に残れば、新しい製品を入れたときに再付着する可能性があります。容器をどのタイミングで確認または清掃しているか、著しく汚れたものや破損したものをどのように扱うかを確認するとよいでしょう。

仕掛品を露出したまま長時間置く運用にも注意が必要です。製品特性によっては、周辺工程から異物が付着する可能性があります。必要に応じてカバーやふた付き容器を使用しているか、異物が品質へ影響する面を上向きで放置していないかなどを確認します。

ただし、大型部品や重量物では完全に覆うことが難しい場合もあります。この場合は、製品全体を密閉できるかではなく、品質上重要な面をどのように保護しているかを見ることが重要です。管理方法は製品の大きさや工程によって異なるため、対策の形式を一律に指定するのではなく、その理由を確認します。

材料の入荷と開梱にも異物リスクがあります。外部から搬入される包装の表面には、輸送や保管中のほこりや汚れが付着している場合があります。外装をそのまま重要工程まで運び込めば、外部由来の異物も一緒に持ち込むことになります。製造パートナー候補が、どの場所で外装を開封し、どの状態から工程内の管理対象とするのかを見ると、工場外から工場内への異物流入に対する考え方が分かります。

工程間の搬送方法も重要です。部品を積み重ねたり、製品同士が移動中にこすれたりすると、破片や摩耗粉が発生することがあります。これは傷防止の観点だけでなく、異物対策の観点からも確認すべきです。仕切り、専用トレー、保護材などが必要な製品であれば、搬送中の状態まで見る必要があります。

完成品は、最終検査を通過した後の管理が特に重要です。検査時には問題がなくても、梱包までの待機中や梱包作業中に異物が付着する可能性があります。検査済み製品をどこに置くのか、未検査品と区分されているか、包装前に必要な状態確認を行っているかを確認します。

工場内の物流経路にも目を向けます。原材料、仕掛品、完成品、廃材、清掃物などの経路が頻繁に交差すると、汚れや異物が別区域へ移動しやすくなる場合があります。一方向の動線でなければならないわけではありませんが、交差によるリスクを把握し、必要な区分や清掃を行っているかが判断ポイントです。

製造パートナー探しで工場を見学するときは、設備そのものだけでなく、「材料が入荷してから完成品として出荷されるまで、製品がどこを通り、どこに置かれるのか」を追うことが有効です。工程を線として見ることで、個別設備の周辺だけでは分からない異物リスクを把握しやすくなります。

ポイント5 異物発生時の検出・記録・再発防止を確認する

どれだけ清浄度管理を行っても、異物の発生を完全にゼロにすることは容易ではありません。そのため、製造パートナー選定では「異物が起きないこと」だけでなく、「異物を発見したときにどう対応するか」を確認する必要があります。

まず見るべきなのは、作業者が異物を発見したときの処置です。その場で取り除けば作業を継続できるものと、品質への影響を確認するために一度作業を止めるべきものが区別されているかを確認します。すべての異物で生産停止が必要なわけではありませんが、重要な異物が見つかった場合に責任者へ報告し、影響範囲を判断する仕組みが必要です。

製品上から異物が発見された場合、その製品だけを清掃して終わると、同じ設備や時間帯で加工された別の製品に同様の異物が付着している可能性を見逃すことがあります。そのため、必要に応じて製造ロット、加工時間、設備、工程などの情報から対象範囲を追える状態になっているかが重要です。

異物の記録方法も確認したいポイントです。「異物があった」という記録だけでは、後から原因を分析する際の情報が足りない場合があります。発見工程、発見位置、異物の形状や色、製品の状態、設備の状況など、原因究明に必要な情報が残せる仕組みがあると、同種の問題が繰り返されていないか確認しやすくなります。

写真による記録も有効です。異物そのものだけでなく、製品上の付着位置や発見時の周辺状態を記録しておけば、現場にいなかった品質担当者や発注側とも状況を共有しやすくなります。ただし、写真だけでは製造条件や時系列まで分からないため、ロットや工程情報などと関連付けて管理することが重要です。

原因調査では、「清掃不足」という結論だけで終わっていないかを見ることも大切です。異物の原因が設備摩耗、治具損傷、包装材の破断、部品同士の接触などにある場合、清掃回数を増やしても根本原因は残ります。異物がどこで発生し、どの経路で製品へ移動し、なぜ途中で検出できなかったのかまで考えているかを確認します。

再発防止策も同様です。「作業者へ注意する」「清掃を徹底する」という対策だけでは、時間が経つと元の状態へ戻る可能性があります。必要に応じて設備、治具、製品配置、搬送容器、清掃方法、作業手順などを変更し、原因に対応した対策を取っているかが重要です。

さらに、対策した後の効果確認まで見ると、改善活動の実効性を判断しやすくなります。対策を実施したこと自体を完了条件とするのではなく、その後に同様の異物が発生していないか、別の問題を生んでいないかを一定期間確認できていれば、再発防止が継続的な活動として機能している可能性があります。

製造パートナー候補に過去の異物事例を確認するときは、問題があったこと自体を減点材料とするだけではなく、その後どのように原因を調べ、改善したかを聞くことが有効です。製造現場ではさまざまな異常が発生する可能性があります。重要なのは、発生した問題を隠さず記録し、原因を考え、改善につなげる仕組みがあることです。

この対応力は、量産開始後に予想外の品質課題が発生した場合にも重要になります。発注側と製造側が事実を共有し、影響範囲を確認しながら改善できる関係を構築できるかどうかは、長期的な製造パートナー選びの重要な判断材料です。

工場見学では見た目のきれいさより運用の一貫性を見る

製造パートナー候補の工場へ行くと、「非常にきれいな工場だ」「少し雑然としている」といった第一印象を持つことがあります。しかし、その印象だけで清浄度の管理能力を判断するのは避けるべきです。

製造方法によっては、加工油や切粉が発生すること自体は珍しくありません。重要なのは、それらが品質へ影響する場所まで移動していないか、必要な範囲で回収・清掃できているかです。見た目の美しさではなく、製品品質に関係する場所が適切に管理されているかを見る必要があります。

現場では、「なぜこの場所ではこの管理をしているのですか」と質問すると有効です。工程の異物リスクと結び付けて説明できるかを見ることで、現場がルールの目的を理解しているかを判断しやすくなります。

複数の作業者で運用がそろっているかにも注目します。特定の熟練者だけが丁寧に清掃し、別の担当者になると状態が大きく変わるのであれば、量産品質は個人に依存しやすくなります。標準作業、教育、点検などによって、担当者が変わっても必要な状態を維持できるかがポイントです。

掲示物やチェックシートの多さだけで評価するのも適切ではありません。記録が整っていても、現場状態と一致していなければ管理が形式化している可能性があります。一方、記録様式が簡潔でも、異常を発見した際に確実に報告し、改善につなげているのであれば、実務的な品質管理が機能している場合があります。

可能であれば、停止中の設備だけでなく、実際に作業している状態も確認します。製造が始まると、どこから切粉が飛ぶのか、包装材をどこで開くのか、仕掛品をどこへ置くのかなど、静止状態では見えなかった異物リスクが現れます。

見学時間が限られている場合でも、入口、材料保管、開梱、加工、組立、検査、完成品保管、出荷準備という流れに沿って確認すると、製品が通る経路全体を把握しやすくなります。

また、現場担当者への質問に対する回答が統一されているかも参考になります。「異物を見つけた場合はどうしますか」と複数の担当者へ尋ねたとき、説明が大きく異なれば、判断基準が十分に共有されていない可能性があります。反対に、それぞれの担当者が自工程に合わせて具体的な対応を説明できれば、管理の意図が現場まで浸透していると考える材料になります。

清浄度は、一度の工場見学だけで完全に評価できるものではありません。だからこそ、見た目だけではなく、基準、実施、確認、記録、異常時対応という一連の運用を確認することが重要です。

製造開始前に異物対策の要求水準をすり合わせる

製造パートナー候補の清浄度管理が適切に見えても、自社が求める品質水準と一致しているとは限りません。量産開始前には、「何を異物とみなすのか」「どこへの付着を問題とするのか」「どの状態を不適合とするのか」を可能な範囲で明確にしておく必要があります。

「異物のない状態」「清潔な状態」といった抽象的な表現だけでは、発注側と製造側で認識がずれる可能性があります。例えば、製品外観面への異物だけを問題とする場合と、内部機構に入り込む微細な異物まで管理する場合では、必要な工程管理が大きく異なります。

異物の種類についても整理します。金属片、繊維、油分、粉じん、包装材の破片など、製品機能や後工程へ影響するものを想定し、どの工程で重点管理するかを共有しておくと、必要な対策を絞り込みやすくなります。

合否判断の方法も重要です。目視検査を行う場合には、どの工程で、どの面を、どのような条件で確認するかをすり合わせます。製品によっては、照明条件や確認範囲などが判断結果へ影響するため、必要に応じて具体的な検査条件を設定することも考えられます。

また、初回生産や量産立ち上げ時には、実際の製造工程でどのような異物が発生するかを確認しながら管理方法を調整する考え方も有効です。事前検討だけでは想定できなかった異物が見つかる場合があるためです。

製造パートナー側へ一方的に要求事項を渡して終わるのではなく、その要求を満たすためにどの工程を管理するべきかを共同で確認すると、過剰な管理を避けながら品質リスクを抑えやすくなります。

要求水準を明確にすると、将来問題が発生したときにも、何が基準から外れていたのかを判断しやすくなります。逆に、契約前や試作段階で異物に関する要求を曖昧なままにしてしまうと、量産後に発注側と製造側で認識差が表面化する可能性があります。

製造パートナー探しでは、現状の工場設備や清掃状態だけを見るのではなく、自社の要求を伝えた際に、具体的な管理方法へ落とし込めるかを見ることも重要です。自社の標準ルールを一方的に当てはめるのではなく、製造側の工程知識を踏まえて現実的な管理方法を構築できる企業であれば、量産後の改善にも取り組みやすくなります。

製造パートナー候補を比較するときの記録方法

複数の製造パートナー候補を訪問すると、時間が経つにつれて「どの工場でどの状態を確認したか」が曖昧になりやすくなります。清浄度は設備仕様のように単純な数値だけで比較しにくいため、見学時の記録方法をあらかじめそろえておくことが有効です。

記録するときは、「きれいだった」「整理されていた」といった感想だけではなく、確認した場所と事実を残します。例えば、材料の開梱場所が工程内と分かれていた、製品接触面の清掃タイミングを作業者が説明できた、使用済み容器と清掃済み容器の区分があったといった形で記録すれば、後から候補企業を比較しやすくなります。

工場見学では、入口から出荷まで工程順に確認する方法が分かりやすいでしょう。入室、材料受入、開梱、保管、加工、組立、検査、仕掛品置き場、完成品保管、梱包という流れで記録すると、異物がどこから入り、どこで発生し、どこで製品へ付着する可能性があるかを整理しやすくなります。

写真撮影が認められている場合は、写真だけを残すのではなく、撮影場所や確認内容と関連付けて管理することが重要です。後から多数の写真を見返しても、どの工程の何を確認した画像なのか分からなければ、比較資料として使いにくくなります。

また、見学当日に評価を確定させず、資料や担当者へのヒアリング内容と合わせて判断することも重要です。現場ではきれいに見えても異物発生時の記録が不足している場合がありますし、逆に加工中のため一時的に汚れて見えても、製品への影響範囲が適切に管理されている場合があります。

候補企業を比較するときは、清浄度の高さそのものだけではなく、自社製品に必要な水準に適合しているかという視点を持ちます。要求水準以上の高度な管理を行っている工場でも、自社製品との工程適合性や対応力が不足していれば最適とは限りません。

さらに、現在の状態だけではなく、要求変更への対応力も見ておくとよいでしょう。試作から量産へ移行した際に生産量が増えたり、新しい部品や包装材を導入したりすると、異物発生の条件が変わることがあります。そのときに再評価やルール見直しを行える企業かどうかは、継続取引における重要な確認項目です。

記録をそろえておけば、製造パートナーを決定する社内会議でも、「印象がよかったから」ではなく、どの管理が自社製品に適しているかを根拠として説明しやすくなります。担当者個人の記憶や感覚だけに頼らず、現場で確認した事実を残すことが選定精度の向上につながります。

まとめ

製造パートナー探しで製造現場の清浄度を見るときは、工場が単にきれいに見えるかどうかではなく、異物リスクに応じた管理が仕組みとして運用されているかを確認することが重要です。

特に、入室と持込物の管理、清掃方法と責任範囲、工程ごとの異物発生源、材料や仕掛品の保管・搬送、異物発生時の検出と再発防止という5つの視点で確認すると、製造現場の清浄度を品質リスクと結び付けて評価しやすくなります。

異物対策では、一つの方法だけで問題を防ぐことは困難です。外部から持ち込ませない、工程内で発生量を抑える、製品へ付着させない、必要な段階で検出する、異常発生時には原因を調べて改善するという複数の管理を組み合わせることが求められます。

また、製造パートナー候補を比較する際は、自社製品に必要な清浄度水準を明確にすることも欠かせません。要求水準を決めないまま「もっときれいな工場」を探しても、過剰な管理と管理不足を適切に区別できません。製品機能、外観要求、後工程、異物の種類などを踏まえ、どの異物をどの工程で管理する必要があるかを整理したうえで候補企業を見ることが重要です。

工場見学で得た情報は、写真やメモとして工程と関連付けて残しておくと、複数候補の比較や社内共有に活用しやすくなります。現場写真だけでなく、どこで何を確認したのかを位置や記録情報と結び付けて管理できれば、後日の振り返りもしやすくなります。

現場写真・位置情報・施工記録を管理するLRTK Phoneは、こうした現地確認の記録を整理する場面でも活用を検討できます。製造パートナー候補を訪問した際の状況を写真と位置情報を含む記録として残し、候補先ごとの確認内容を後から振り返れる形にしておけば、担当者の記憶だけに頼らない比較につなげやすくなります。製造パートナー探しでは、設備や加工能力の確認と合わせて現場の異物対策を記録し、継続的に品質を確認できる仕組みまで整えることが、安定した外部製造体制を構築するうえで重要です。

ものづくりの次の一歩を、
相談から始めてみませんか。

加工・製造の外注先や共同開発のパートナー探しに。大田区産業振興協会の受・発注あっせん相談サービスをご利用いただけます。

無料相談サービスの詳細を見る
ものづくりの協力先探し大田区産業振興協会無料相談

技術記事一覧へ戻る →